SEワンタンの独学備忘録

IT関連の独学した内容や資格試験に対する取り組みの備忘録

【AWS】ソリューションアーキテクト-アソシエイト合格体験記

AWSソリューションアーキテクト-アソシエイト認定試験を受験し、合格してきましたので対策方法など書き留めておきます。
対策としてはやや特殊というか中途半端かもしれません。

前提

AWSソリューションアーキテクト-アソシエイト

一番の注意点は今回私が受験してきたのは「2020年3月」までの試験ということです。
なので、この記事を作成してから同じバージョンを受験できるのは2か月のみしかないので、自分が受けようとしているのはどの試験なのか確認して詳細などについては必要に応じて別のソースも確認することを推奨します。
なお、今の時期に合格しても有効期間は3年みたいなので、情報が多く出回っている私と同じバージョンを駆け込みで受けるというのもありだと思います。

この試験について昔から追っているわけではないので、どのような変更がなされるのかは分かりませんが、大きな方針とはそう変わらないのではないかと思います。

実施形式 テストセンター
時間 130分
問題数 65問
得点レンジ 100-1000点
合格点 720点
料金 15,000 円(税別)

試験詳細については以下などを参照してください。
AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト | AWS

結果

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スコア:755点
結果 :合格

詳細な結果については以下の通り。

分野1:回復性の高いアーキテクチャを設計する
 ⇒十分な知識を有する
分野2:パフォーマンスに優れたアーキテクチャを定義する
 ⇒再学習の必要あり
分野3:セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャを規定する
 ⇒十分な知識を有する
分野4:コスト最適化アーキテクチャを設計する
 ⇒再学習の必要あり
分野5:オペレーションエクセレンスを備えたアーキテクチャを定義する
 ⇒十分な知識を有する

まぁかなりギリギリでしたね。
分野的にもパフォーマンスコストに関してはかなり不安定だったことが分かります。

まぁ結果としてはまだまだ不十分なところもありましたが合格は合格としてひとまずは喜んでおきます

私について

私はアプリ系エンジニアで現場経験が数年あります。
AWSの使用経験は業務ではありませんが、対策方法でも触れますが個人アカウントを作成しすこしガチャガチャはしました。

対策方法

実機学習期間が三~四か月ぐらい。
参考書の読み込みやまとめ期間が一~二か月ぐらい。
本格的な問題演習が直前一週間ぐらい。

全ての期間でAWSのみを勉強をしていたわけではないということもありますが、他の合格者の方と比較しても期間で言うとかなり長いのではないかと思います。

実機学習

当初は「AWS-SAA」を意識せずに取り組んでいました。
個人アカウントを登録して、参考書とネットを用いて無料枠内で主要サービスを簡単に使用してみました。

実際に行った内容については基本サービスを1パターンぐらいで使用してみた感じです。
詳しくは「AWS」のタグで検索し直してみてください。

で、対策としてはどうだったかのかというと、一般的にも結構言われている通り、合格を目指すだけなら不要だと思います。
個人利用であってもなにかサービス運用のために使ってみたぐらいのレベルなら話は変わってくると思いますが、私が実機学習⇒試験対策⇒受験の流れを通して感じたのは以下です。

【有用だった点】
一番はセキュリティグループIAMユーザ周りであったかと思います。
アソシエイトであれば試験範囲レベルは、改めて勉強し直さなくても特に不十分さは感じませんでした。

EC2、RDS、ELBなどの基本サービスの扱い方とか。
基本的な内容でも試験対策で新しく得た知識も多かったですが、起動停止、IPアドレス付与、ホスト名の扱いなどは実機学習により感覚を得ることができた部分もありました。
また、サービス利用のパターンを1パターンでも知っておくことで、自分が知っている構成との比較や裏ではこうなっていたという観点で学べるため頭に入ってきやすかったと思われます。

【不十分だった点】
基本的には不十分だった点の方が多いので、ざっくりと。

・ユースケースが想定しきれない。
 ⇒多くの場合は、サービスありきで学習を進めたため。
・対象サービスが網羅しきれない。
 ⇒オンプレが関係するサービスに触れるのが困難であったため
 ⇒大量データを使用するサービスには触れられなかったため
 ⇒無料枠外のサービスには触れなかったため
・インスタンスやクラスの種類を把握しきれない。
 ⇒無料枠では使用できるインスタンスやクラスに制限があるため
・コストやパフォーマンスへの関心が薄かった。
 ⇒まずは利用することを目的としていたため。
・可用性(Auto Scalingなど)を考慮できていなかった。
 ⇒ELB(CLB)は利用したが、インスタンス等を複数用意することが困難であったため。

という感じで、個人利用、特に無料枠で学習する場合には、
基本的なサービスの理解には有用ではあるが、それのみで試験対策とするのは困難であると思います。

参考書による学習

以下の「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」を使用して行った対策です。


【解説の読み込み】
三周ぐらい読み、合わせて練習問題を解きました。

一週目は軽く全体を把握する、二週目に理解できていない部分を明確に、三周目で不明確な部分をなくすぐらいの感覚でした。
実務未経験の場合は特に、一度で全てを理解するのはどんな参考書であってもなかなか難しいでしょう。

【ブログまとめ】
やや特殊な対策でしょう。
まとめ直すことによって、不明確な用語はかなり減り、理解は深まりますが時間効率はあまりよくないでしょう。

【模擬試験問題演習】
通しで2回解きました。

本番試験から逆算して、一回目は一週間前ぐらい、二回目が前日に解きました。
一回目は7割に届かないぐらい、二回目は9割ぐらいの結果でした。


私の場合は実機学習も行ったということもあり、本書一冊だけで乗り切ました
自身が実機学習なしで受けるとしたら、別の参考書と二冊購入したかもしれません。

二冊の参考書を並行で進めるのは、勉強自体に慣れていれば特に異なる観点での解説を読めるということもあり試験対策に関わらず有効だと思っています。

公式模擬

公式模擬の様子については、以下の記事を参照してください。

www.wantanblog.com

では、受けてよかったかどうか。

他ブログなどを拝見させていただいたところコスパが悪いという意見も見ました。
問題数が20問と少ない上、解答は公開されないためであると思います。
また受験者としては結果的に、模擬試験と本試験の難易度にやや乖離があると感じることが多いこともあるでしょう。
※多分これも事実

2000円という値段ならば、少し追加すれば問題数も十分な対策参考書を購入することも可能ですからね。

しかし個人的には、以下のような点から十分有用であったと思います

・試験直前であったため、新たに書籍やコンテンツに手を出す余裕がなかった。
・参考書とは違う観点でサービスを見直すきっかけとなった。
・実際に出題される問題形式を把握することができた。
・結果論だが、模擬試験で合格ラインを越えていたため自信になり、その後すぐに本試験を受験し合格となった。

私としては受けてよかったと思いますが、実際に受けるかは様々な意見を見て、自身の学習状況と照らし合わせて判断すればよいと思います。

公式ドキュメント

■サービスの紹介ページ

以下のEC2などのサービスごとの紹介ページのことです。
Amazon EC2(安全でスケーラブルなクラウド上の仮想サーバー)| AWS

概要が把握できるというには量がそれなりにあり、全てに目を通すには時間がかかり、私は試験前日に試験対策として見始めたのでしっかりと目を通しきることができませんでした。
個人的には各サービスの「よくある質問」は割と試験対策になるのかなと思いました。

同系統のサービスと比較したユースケースや参考書にあまりのっていなかった公式模擬試験で問われた内容が記載されているためです。

■AWS Well-Architected フレームワーク

アーキテクトの基本方針などが記載されている。
私はある程度知識を入れた後に見たため、少し確認する時期が遅かったかもしれない。

https://d1.awsstatic.com/International/ja_JP/Whitepapers/AWS_Well-Architected_Framework_2018_JA_final.pdf

個人的にはなんとなくどのようなサービスがあるのか把握できたぐらいの段階で軽く見るぐらいがいいのかもしれないと思いました。

■AWS ホワイトペーパー

よく言われているものです。
私は英語やんって思ってほぼ目を通していないため、活用方法などは他ブログを参照。

ホワイトペーパー | AWS

■AWS black belt

こちらも界隈では有名らしいブラックベルトと呼ばれているものです。
私はこれを初めて見たのは受験後でした。

サービス別資料 | AWS クラウドサービス活用資料集

これは見ておけばよかったなぁと思いました
主要サービスについて、日本語で見やすくまとまっています。

見てみた感じ、図表などもあり読みやすくなっているので概要部分を確認するだけ価値はあると思いますが、アソシエイトの試験対策としてはまともに全てを読み込むと内容的には重過ぎると思います。
※もちろん細かい部分まで理解しておくのは試験以外の観点からも有効だとは思いますが

私が後から見た感じの感覚にはなりますが、試験でどのような問題が出題されるのかというのをある程度把握した上で見てみるとどの部分を試験対策として読み込むべきなのかが分かってよいのではないかと思います。

例えば以下のような観点

・ユースケース
・冗長化、可用性を担保する仕組み
・セキュリティ担保の仕組み
・他サービスとの連携
・有効活用方法(コスト、パフォーマンス)

WEB問題集

有効活用はできませんでしたが、ご紹介だけ。

https://aws.koiwaclub.com/aws-exam2/

有効活用できなかったというのは、私はあまり時間を割くことができなかったという意味です
※途中まで解いて、振り返りもせずに放置した。

難易度は上記参考書と比較するとやや高い。
掲載問題の最新性はどこまで保証されているのかは不確かです。

本番試験について

試験の流れ

私は「ピアソン VUE」経由で受験し以下のような流れでした。

①試験の申し込み

②会場到着⇒受付

③必要書類の記入⇒証明書の提示
 ※私の場合は免許証とクレカ

④写真撮影・準備⇒入室

⑤試験実施
 1.実施規約
 2.本試験実施
 3.アンケート記入
 4.試験結果表示確認

⑥webにて結果詳細の確認
 ※実施数時間後

⑦結果通知メール
 ※翌日にメールがくる。⑥で全ての結果は確認できているのでここで新しく確認できる情報はない。

出題傾向

具体的な試験問題は多少覚えてても規約により記載されることは許されません

なので、ぼんやりと試験的にどのようなサービスが重要と思ったかを記載していこうと思います。
また、もちろん一回しか受けてないので問題セットによって変わって感じ方は変わってくと思いますのであくまで参考まで。

★★★最重要★★★
EC2
S3
VPC
ELB
Auto Scaling
IAM
CloudWatch

この辺はそのサービスに関してある程度深い内容と、他のサービスとの連携やサーバとしてのEC2、ストレージとしてのS3、冗長性としてのAuto Scalingなど前提となる部分でもあるので理解は必須でしょう。

★★重要★★
EBS
Lambda
CloudFront
RDS
DynamoDB
SQS
CloudFormation
Route53

他のサービスとの比較やユースケースを把握しておくべきサービス群。問題セットによって一段下の「出題あり」と入れ替わると感じる場合もあるかもしれません。
SQSが思ったよりも重要そうだった。

★出題あり★
ECS
EFS
Direct Connect
CloudTrail
Config
SNS
Kinesis
Redshift

他にもあるかも。
試験的には細かい仕組みなどより重要なキーワードとサービスを紐づけておくことが重要だと考える。

まとめ

難易度的にはしっかりと試験対策としての勉強をすればAWS知識ゼロからでも合格は可能でしょう。
また、試験では様々なサービスやユースケースが問われるため、私は実際の感覚は分からないのですが、実務で多少の使用経験があるぐらいでも万全にするためには試験対策としての勉強は必要になると思われます。

基本的なIT知識としては、ネットワークやセキュリティの基礎知識有無によって、これらが絡みやすい複数サービスの複合ケースなどでは理解の早さが変わってくるかもしれないと思いました。


さて、今後についてですが、直近ではSAPなどの上位資格取得は考えていません。
※他の区分ではどの程度の問題が出題されるのかは確認してもいいかなぁとは思いますが

現状ではすぐに業務で使用するという話は来ていないですが、クラウド利用が一般化してきていることから今後のことを考えても今回の一連の勉強は決して無駄ではなかったと思っています。

個人で取得したAWSアカウントの無料枠期間も徐々に短くなってきましたが、まだ数か月はあるので、実機学習⇒試験学習⇒実機学習と実機学習のサンドイッチで勉強してみてもいいかなぁと考えてはいます。
机上の勉強を通して、知識の幅は確実に広がったので実機学習で再確認できれば有効な学習ができるのではないかと思うためです。


ただ他にも勉強したい分野はあるので実際のところはそことの兼ね合い次第ですかね。
Docker絡みのサービスは一度は触れたい・・

以上、またね!