21回目になりました。LPIC101はやっとラストスパートです。
ファイルシステム
前回はパーティションについて扱いましたが、システムとして利用するためにはファイルシステムを作成する必要があります。
ファイルシステムを作成することでディスク上のデータをファイルとして扱うファイルの保存や書き込みなどが可能になります。
ファイルシステムの種類
Linux向けのファイルシステムはディストリビューションによっていくつかの種類が存在します。
・ファイルシステムの種類
ファイルシステム | 説明 |
---|---|
ext2 | Linuxの標準ファイルシステム |
ext3 | ext2にジャーナリングシステムを追加 |
ext4 | ext3に拡張機能を追加 |
XFS | SGI社開発のジャーナリングファイルシステム |
JFS | IBM社開発のジャーナリングファイルシステム |
iso9660 | CD-ROMのファイルシステム |
exFAT | フラッシュメモリ向けファイルシステム。FATの後継 |
以下、試験的には。
ext系のファイルシステムはしっかり覚える、時点でXFS、JFS。
その他のファイルシステムは余裕があれば。また次の観点を押さえておく。
・inode数の制限
制限あり | 制限なし |
---|---|
ext2,ext3,ext4 | XFS,JFS |
・ジャーナリングシステムの採用
未採用 | 採用 |
---|---|
ext2 | ext3,ext4,XFS,JFS |
mkfsコマンド
ファイルシステムの作成コマンド、基本的なファイルシステムはこのコマンドで作成することができる。
オプション
オプション | 内容 |
---|---|
-t | ファイルシステムを指定する |
-c | 実行前に不良ブロックを検査 |
・実行形式
[wantan@localhost work]$ mkfs -t ext4 /dev/sda1
実行すると内部的には別のプログラムが呼び出されている。
ext2⇒mkfs.ext2
XFS⇒mkfs.xfs
など。。
mke2fsコマンド
同じくファイルシステムの作成コマンド。
しかし作成できるのは「ext2,ext3,ext4」のファイルシステムに限られる。
(なんで同じようなのがあるんだろうか??)
オプション
基本的にはmkfsコマンドと同じ、ext3についてだけ特殊オプションが存在する。オプション | 内容 |
---|---|
-t | ファイルシステムを指定する |
-j | ext3ファイルシステムを作成する |
-c | 実行前に不良ブロックを検査 |
tune2fsコマンド
ファイルシステムのパラメータ変更コマンド。
試験的な優先度は下がるが、一応出題はある模様。余裕があるならオプションを覚えておきたい。
オプション
オプション | 内容 |
---|---|
-c | ファイルシステムチェックを行うまでの最大マウント回数を指定 |
-i | ファイルシステムチェックを行うまでの最大時間間隔を指定 |
-j | ext2をext3ファイルシステムに変換 |
■ファイルシステムの変換
[wantan@localhost work]$ tune2fs -j /dev/sda
スワップ領域の管理コマンド
スワップ領域自体はアーキテクチャの観点では多少問われることもあるみたいですが、コマンド自体は存在ぐらいを覚えておけばよいでしょう。
・mkswapコマンド
スワップ領域を作成するコマンド。
こちらもファイルシステムと同様ファイルシステムを指定する。
・swaponコマンド
スワップ領域を有効化するコマンド。
作成時点では有効になっていないようなので、作成後こちらのコマンドも実行する必要がある。
・swapoffコマンド
スワップ領域を無効化するコマンド。
ファイルシステムのチェックコマンド
fsckコマンド
fsckコマンドはディスクのチェックを行うとともに修復を行うコマンドです。
ディスクのチェックや修復はファイルシステムをアンマウントした状態で行うのでディスクへの書き込み中の実行は厳禁。
オプション
オプション | 内容 |
---|---|
-t | ファイルシステムの種類を指定 |
-a | 自動的にファイルシステムの修復 |
-r | 対話的にファイルシステムの修復 |
-N | 実際には修復を行わず、何を実行するか確認 |
e2fsckコマンド
fsckコマンドではファイルシステム全般の修復が行えましたが、ext2、ext3およびext4のファイルシステム修復にはe2fsckコマンドを使用することもできます。
オプション
e2fsckコマンドはfsckコマンドと比較してコマンドの構造が違うようで、オプションも異なってきます。「-p」の自動修復はやや特殊です。
オプション | 内容 |
---|---|
-p | すべての不良ブロックを自動的に修復 |
-y | 問い合わせに対してすべてYesで回答 |
-n | 問い合わせに対してすべてNoで回答 |
ディスクの利用状況確認コマンド
dfコマンド
dfコマンドはファイルシステムの空き容量を確認するコマンドです。
試験だけでなくシステム管理をおこなっていたら実際に使用する機会もあるでしょう。
[wantan@localhost work]$ df Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/sda3 29036696 5052396 23984300 18% / devtmpfs 482108 0 482108 0% /dev tmpfs 497948 0 497948 0% /dev/shm tmpfs 497948 8488 489460 2% /run tmpfs 497948 0 497948 0% /sys/fs/cgroup /dev/sda1 303780 149624 154156 50% /boot tmpfs 99592 12 99580 1% /run/user/42 tmpfs 99592 0 99592 0% /run/user/1000
オプション
そのままコマンドを実行するとぱっと見で分かりにくいので、実際に使用する場合にはオプションをつけて使用する場合が多いでしょう。オプション | 内容 |
---|---|
-h | 分かりやすい単位をつけて表示 |
-H | 分かりやすい単位をつけて表示(1M=1,000,000バイト) |
-k | KB単位で表示 |
-m | MB単位で表示 |
-i | inodeの使用状況を表示 |
■inode使用状況を表示する
[wantan@localhost work]$ df -i Filesystem Inodes IUsed IFree IUse% Mounted on /dev/sda3 14525440 149058 14376382 2% / devtmpfs 120527 380 120147 1% /dev tmpfs 124487 1 124486 1% /dev/shm tmpfs 124487 890 123597 1% /run tmpfs 124487 16 124471 1% /sys/fs/cgroup /dev/sda1 153600 340 153260 1% /boot tmpfs 124487 9 124478 1% /run/user/42 tmpfs 124487 1 124486 1% /run/user/1000 tmpfs 124487 1 124486 1% /run/user/0
duコマンド
duコマンドはディレクトリを指定して、ファイルやディレクトリが占めている容量を表示します。
使い慣れていない場合はオプションに難あり。
以下の通り、そのまま実行するとディレクトリの容量のみを表示します。
[wantan@localhost work]$ du 0 ./test 0 ./default 0 ./umdir 8 ./links 12 .
オプション
オプション | 説明 |
---|---|
-a | ファイルも表示 |
-l | リンクも含めて集計 |
-c | すべての容量の合計を表示 |
-k | 容量をKB単位で表示 |
-m | 容量をMB単位で表示 |
-s | 指定したファイルやディレクトリのみの合計を表示 |
-S | サブディレクトリを含めずに集計 |
-h | 分かりやすい単位で表示 |
■対象ディレクトリの容量のみを表示する
[wantan@localhost work]$ du -s links/ 8 links/
■すべての容量の合計を表示する
別途合計行が表示される。
[wantan@localhost work]$ du -c 0 ./test 0 ./default 0 ./umdir 8 ./links 12 . 12 合計
■サブディレクトリを含めずに集計
「-c」オプションの合計行との違いがでる。
[wantan@localhost work]$ du -cS 0 ./test 0 ./default 0 ./umdir 8 ./links 4 . 12 合計
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