SEワンタンの独学備忘録

IT関連の独学した内容や資格試験に対する取り組みの備忘録

【統計検定】統計検定2級合格体験記

統計検定2級に合格しましたので、実施した対策や受験時の所感などについて書いていきます。

前提など

統計検定2級について

統計検定とはなんぞや?とか2級の具体的な出題範囲については公式サイトや他のブログ様に任せます。
内容については一応、大学基礎課程程度と書かれています。

・公式サイト
統計検定2級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate

資格試験の体感難易度としては「普通」ぐらいだと感じました。
専門ではない方がいきなり受けて合格というのはかなり難しそうですが、過去問をベースにしっかりと対策ができれば現状がどんな状態でも合格にはたどり着けそうという感触です。
根本的な内容としては難しいと思いますが、合格するために解けなければいけない問題の難易度はそれなり、また、過去問が公開され過去問ベースの勉強ができるので対策はまぁやりやすいかなと思います。

私について

私の本職はITエンジニアです。
また、データサイエンティストや機械学習エンジニアではありませんので本資格自体はどうしても必要というわけではありませんでした。

学生時代は理系ではありましたが、数学系の専門ではなかったので統計学と向き合うのは今回が初めてでした。
高校レベルの数学であれば多少は得意意識があった程度でしょうか。もう何年も数学とも向き合ってはいませんでしたが。。

私の受験結果

参考までに私の受験結果を以下に示します。

試験結果
■総合点:71点
■セクション分析
1.1変数・2変数記述統計の分野:75%
2.データ収集・確率・分析の分野:83%
3.推定・検定・線形モデルの分野:57%

本格的に学ぶのが初めてな推定や検定の分野の比率が低く、やはり今回の対策だけでは理解しきれなかったところがあることが反映された結果だと思います。

実施対策

実施対策については概ね時系列順に書いていきますが、一部反復もあります。
勉強時間については、私が人の勉強時間と比較するのがあまり好きではないのであえて記述はしません。期間的には書籍購入から試験終了まででだいたい二か月ぐらいかけたと思います。

統計学入門

統計学」をちゃんと勉強するのはこれが初めてだったので、基礎の基礎を知るところから始めました。
まずは統計学入門というレビューなどでも比較的評判のよい書籍から読み始めました。

こちらの書籍についてですが、他の統計学に関する本を読んだことはありませんが、基本的な内容を比較的初学者でも分かりやすく書いてあるという印象を受けました。

基本的な内容と言っても後半の方になると少し複雑に見える数式なども登場してきます。
私は一回目に読んだときは、前半部分は比較的しっかりと理解できましたが、後半についてはなんとなくで読み進めた部分もあります。のちに過去問は解いてしっかりと自覚するのですが、検定などの正確な数式についてはほぼ頭に残っていませんでした。

後で何回か戻ってくることもありましたが、本書では正確な数式の暗記はひとまず置いておいて、基本的な用語や検定についての内容理解やイメージ把握に使用するのがよいと思います。

また、統計検定向けの本ではないので当然ながら試験範囲は網羅できていません。特に確率などは触れられていないのでその辺に不安がある場合は別途対策を打っておいた方がいいかもしれません。

統計学の時間

統計検定2級の超定番Webサイトである統計学の時間はもちろん活用させていただきました。

統計学の時間 | 統計WEB

確かめていませんが、範囲的には少なくとも統計検定2級に合格できるレベルで網羅されていると思います。
先の「統計学入門」を読んだ後にこちらも読み始めました。こちらはしっかり読み込めば統計検定2級の問題にかなり対応できるようになると思います。

最初に一度読んだときには、前半部分はちゃんと読めばしっかりと理解できましたが、後半になると読んでもほとんど理解できず「こんなのがあるんだなぁ」ぐらいで流し読んでいました。
一回読んだときに同じような感想になったら概ね私と同じぐらいの統計学に対する理解力と言えるかもしれません。

また、解説に加えて演習問題もついていましたが、私は解くことはありませんでした。こちらの演習問題を一度で解けなくても解説で理解できるようであれば統計検定の問題も結構解けるのではないかと思います。

こちらのWebサイトは検索性にもかなり優れているので、過去問演習に入ってからも理解してない分野を確認するのにかなり有用です。むしろそちらの方が本筋かもしれません。

過去問演習

全体を通して行った問題演習は過去問のみです。

過去問に関しては公式が出しているものがほぼ唯一になると思います。

私はこちらの過去問5回分を2~4回程度解きました。
演習自体は極めて普通に行いましたが、気づいた点などを書いていきます。

■一回目は全然できてなくて当然
上記に書いた対策内容の通り、書籍やWebの解説を読んだだけでは詳細までは理解できていませんでしたし、数式も正確にはほとんど覚えていませんでした。なので一回目の過去問演習は当然ながら全然解けませんでした。正答率で言うと4割ぐらい。
上記のWebサイトなどを見ていて私と同じような感想を持った場合、過去問演習も同じようになる可能性が高いです。

■公式過去問の解説はある程度分かってる人向け
過去問を解いて分からなかった箇所を確認する、この辺りからが試験対策の本番になるものと思っています。
ただ、過去問が全然解けなかったのはまだいいとして、解説を読んでも何を言っているのか全然分からない、何故その式が突然出てくるのか分からないということが結構ありました。
公式過去問の解説だけでしっかりと理解できるなら既に合格にかなり近いところにいるのではないかと思います。
過去問の中にはかなり難易度の高い問題も含まれているので、全ての問題を真っ向から相手にするかは時間や自分の実力次第になりますが、多くの問題はしっかりと理解できるまで向き合った方がいいと思います。しっかりと理解しないと別の問題に対応できないと思いますので。

過去問で分からなかった箇所には「統計学の時間」などをフル活用しましょう。
本当にしっかりと理解を深めていくのはこの辺りの工程からでもいいと思います。
また「統計学の時間」には過去問の解説もあります。公式過去問と解説の仕方や解法などが異なる問題もあるので、公式の解説で分からなかったところはこちらを確認してみるのもありだと思います。
【統計検定2級 解説記事一覧】 | ブログ | 統計WEB

■2021年6月は特別難しい!?
主観も含まれていると思いますが、2021年6月の過去問は過去問集に載っている中でも特別難しく感じました。
他の回だと得点ソースとなる前半部分にしっかり理解していないと解けない問題が結構含まれているからだと思います。
何が言いたいかと言うと、個人的には2021年6月を特別な一回に置くのは薦めません。例えば一番最初に解くと詰まる可能性がありますし、最後の一回として実力試し用にとっておくと自信を失う可能性があります。

私個人が言っていることなので、そこまで気にしなくてもいいと思いますが、以下の難易度表は初学者の私としても概ね同意できる感じだったので参考にはなると思います。
https://bellcurve.jp/statistics/blog/22959.html

本番試験について

本番試験について受験時に思ったことなどを書いていきます。

■体感難易度
問題の詳細については触れることはできませんが、個々の問題の体感難易度は過去問と比較すると同程度かやや難しいぐらいだと思います。
ただ問題形式の違いから少し難しい問題の比率が多いという感じだったと思います。

■私自身のでき
解いてる途中は落ちたかもしれないなーと思っていました。
主な理由として得点ソースにすべき前半部分で自信のない回答が続いたからです。前半の比較的基本的な領域部分で過去問と少し問われ方を変えられたりしたせいだと思います。結局は統計学に対しての根本的な理解がどうしても足りない部分があったということだと思います。
演習ベースの学習の弊害かもしれません。
5分程度余して解答完了、5分で変わる明確に変えられるところはないなと思ってそのまま終了しました。

■苦手分野や分からない問題があっても合格はできる
苦手分野に関しては明確に分かっているのであればできる限り対策はした方がいいとは思いますが、合格だけであれば、苦手分野や過去問で理解しきれなかった問題があっても大丈夫だと思います。
ちまたでは一割程度の割合で難問が含まれていると言われていますので、その辺で悩みすぎるより確実にできるところを増やしていくことを意識した方がいいと思います。

■初学者はまずは推定周りを重点的に
推定や確率変数などの問題は私が初めて解いたときは全くと言っていいほど太刀打ちできませんでした。この辺はやり方を知らないとほぼ無理だと思います。
ただ、過去問を何回か解いているうちにピーンとくるときがきて最終的には基本的な問題であれば得点ソースになりました。
あと、個人的には2標本検定については最低限、公式の形ぐらいは把握しておいた方がいいと思います。

■2021年~2018年の過去問で網羅できているか
現時点(2022年1月)での公式過去問集は2021年~2018年の5回分が収録されています。私は問題演習はこの5回分のみに頼りました。
結果としては、この5回分の問題にしっかり対応できれば合格は可能なレベルになると思います。もちろん1割程度の難問は除いてもです。
ただ、過去問ではあんまり見たことはない感じの問題は明確にありましたし、CBT方式で出題される問題セットは変わるはずなのでこの辺は様々な情報ソースから情報収集して判断した方が無難だと思います。


準一級などは今のところ受ける予定はありませんが、統計学は軽く学ぶ分にはやはり面白かったと思います。