2021年4月に実施されたITサービスマネージャ試験に合格になりましたので今回実施した対策を振り返ります。
以前の記事でも述べていますが、今回の対策は最近受験した資格試験の中でもだいぶ軽めになりました。対策というよりは試験の所感とかが中心になるので以前書いた記事とダブっている部分も多いと思います。
前提とか
今回の勉強期間は約2か月強で週に平均5時間ぐらいの勉強だったと思うので5×10で50時間前後ぐらいでしょうか。
私の場合は他の高度試験だとゆうに100時間とかを超えていたのでそれと比較するとだいぶ少な目になりました。
結果としては合格となりましたが、合格安定ラインまでいけていたかと言うと感覚的には微妙なところだったと思います。
ただ、勉強時間としては結構少な目に映るかもしれませんが、これはこれまでの経験があったことが大きく、午後Ⅰにしても午後Ⅱにしてもシステムアーキテクト試験やプロジェクトマネージャ試験の経験がかなり効いていたと思います。
なので勉強としては解き方や考え方をチューニングする時間がほとんどであった気がします。
試験対策としてはPM試験とかの方がまだちゃんと書いてあると思います。
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対策と所感
午前Ⅰ
午前Ⅰは免除でした。
特に言うことはありませんが、他の区分と同様にやはり免除の状態が望ましいでしょう。
午前Ⅱ
SM試験の午前Ⅱについては初見ではなかなか難しい問題が多かった印象です。
ただ過去問の流用率が比較的高かったような気がするので過去問をしっかりやっておくだけでもだいぶ盤石になると思います。
本格的にやるならITILの勉強をやるのも効果的だと思いますが、前述の通り過去問の流用率が高いせいで試験対策だけとしてみるとあまりコスパはよくないと思います。
試験対策だけで考えるなら過去問と回答の丸暗記も有効だと思います。
有効な対策がある午前Ⅱは絶対に落とすべきではないので、午前Ⅱについては他の区分と同様ぐらいの勉強時間を確保していたはずです。
午後Ⅰ
個人的には知識など部分を除いても設問から導かれる回答がいまいちしっくりこない問題が散見された印象を受けました。
知識分野的にはITサービス運用をベースにしてアプリ、インフラなど幅広い知識が問われ、SA試験やPM試験を抜けてきたアプリ屋からするとインフラが中心となる問題についてはやや解きにくい印象を受けるかもしれません。
ただ、午後Ⅰの段階では問題文などに注釈が結構書かれているためそこまで詳細な知識がなくても問題を解くことはできると思います。
過去問をやっているとぶつかると思いますが、リソース管理関連での閾値の設定基準などはどのような出題がされるか押さえておくと良さそう。
後はどの「管理」に関する問題なのかは意識しておくとよいと思います。
分かりやすいもので言うと、発生した問題に対してインシデント管理であれば迅速なサービス復旧、問題管理であれば問題の根本的な解決に重きを置くなど。
その他にも変更管理、構成管理、継続的サービスの改善などが問ごとの主題になっていることがほとんどだと思うのでその辺を意識した回答を行うようにすると設問に沿った回答が少しはしやすくなるかと思います。
午後Ⅱ
情報処理技術者試験の論文試験の書き方などがある程度分かっている前提で書きます。
基本的な書き方はSA試験やPM試験で学んだことが十分に活かせる内容になっていると思いますが、やはり多少観点が異なるところがあります。ここでは私が感じた試験的な特徴について記述していきたいと思います。
■サービス運用について記述する
SA試験やPM試験の場合はプロジェクトの遂行を中心に記述しますが、ITサービスマネージャ試験ではその名の通りサービス運用に関して記述します。
PM試験では序盤にプロジェクトの制約事項などを記述するのが必須と言われていますが、SM試験では少し毛色が違いサービスの運用構成などを記述することになります。
サービスの運用構成と言っても幅広く、何を書くのか正解なのかは分からないところもありますが例えばシステム構成、運用チームの構成、サービスの稼働状況などなどこの辺をテーマによって書き換えることができるぐらいには準備しておくべきかと思います。
■テーマについて
SM試験の記述テーマは比較的多岐に渡っていると思います。
インシデント管理や問題管理、継続的サービス改善に関する問題は出題率も高めなのでこの辺はある程度記述できるようになっていた方がよいと思います。
要員管理、ステークホルダ管理系は少し観点は異なりますが、この辺は比較的PM試験でやったマネジメント系の問題のノウハウが流用できるところもあると思いました。
またリソース管理やハードウェア管理などの問題は結構深めのインフラ知識というか、経験がないと記述が難しいところもあるかなと思いました。過去問を見て準備することは可能なレベルだとは思いますが、過去問を見た感じだとガッツリとしたインフラ問題は出題頻度はそこまで高くないのでしっかりと準備すべきなのかは微妙なところです。ただし問題と同じような経験がある場合には比較的書きやすいテーマにはなる気はします。
■論文内での所属組織について
私自身はITサービスマネージャ(本格的なサービス運用)経験がないので後述する書籍に記載されていた論文からどのようなことをどの程度書けばいいのかを学びましたが、その中で自身の所属について少し気になることがありました。
書籍に記載されている論文では自身がIT系以外の企業の情報システム部などに所属しているケースが非常に多かったですが、私はSier系の企業に勤めているため、その辺がどうしても習うことができませんでした。
そのため本番試験でも自身はSier所属で、顧客となる企業のシステムを運用するチームのITサービスマネージャという立場で記述しましたが無事合格となりました。
このような所属企業についてはあまり気にしなくてもいいようです。
■ITサービスマネージャにおけるマネジメント領域について
例えば令和3年度の問1には事業関係管理が主題の問題が出題され、私はこれを選択して解きましたが事業関係管理の定義を正確に把握せずに解きました。
私はこの辺は手を抜いてしまいましたが、事業関係管理などを初め、インシデント管理や供給者管理、サービスカタログ管理など各マネジメントの定義ぐらいは押さえておいた方が午後Ⅰも含めて解きやすくなるケースもあるのではないかと思います。
私は受験後に見ましたがこの辺は公式シラバスに書かれている内容ぐらいでもいいかと思います。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/syllabus_sm_ver5_0.pdf
結局、過去問実施としてはPCで5本ぐらい作成、手書きで2回ぐらい作成。あとは過去問を眺めてどんな問題が出題されるか確認したぐらいです。
参考書籍
情報処理教科書 ITサービスマネージャ 2019~2020年
中心に使用していく参考書として購入。
ITサービスマネージャの基本的な内容の確認も兼ねる。
また、過去問と午後問題の解説目的でも購入しました。
午後Ⅰに関してはIPAの設問と回答でいまいち納得できないところもあると書きましたが、その辺の解説はやや甘く、個人的には午後Ⅰの解説としてはやや不十分な印象を受けました。
ITサービスマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第5版 (情報処理技術者試験対策書)
他の区分でも同じ書籍を購入しているが、内容は同様。
記載されいている論文も基本的には参考になる。
但し、筆者らが書いた論文であるため内容的には無難になるとは思うがやや堅い印象。
好みの問題でもあるが一般受験者の合格論文の方が、自身の論文に部分的には取り入れたり参考にしやすい気がする。
運用☆ちゃんと学ぶ システム運用の基本
読み物として購入。
これだけでは直接的な試験対策にはならないと思われる。
ITサービスマネジメントの入り口に立つような本なので、そこまで詳しいことまでは書いてないがあっさり読めるので軽く読むには読みやすい。
サービス運用の経験がない場合にはサービス運用者の立場や役割をある程度把握するのには活用できた。
ITサービスマネージャの勉強をするモチベーションを上げたりするのに使用するぐらいがちょうどいいかもしれない。