はじめに
昨年度、2020年10月の情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験に合格しました。私自身は2019年4月にも同試験を受験してその際には不合格だったため、二回目の受験で合格となりました。
今回の記事はそのときの受験経験から「PM試験のすすめ」として、PM試験の薦められる点などを書いてみたいと思います。ここでは資格取得によるメリットというよりは、特にその過程にフォーカスをあてています。
現時点は私自身は実際の業務ではPMの経験はありません。また、本格的なチームリーダの経験もないので主にメンバ層で業務を行っています。そのため、本記事はメンバ層目線での記述になります。
また、自分の考えを書いてはいますが読み物として少し極端に書いている部分もあります。
どのような人に薦めるのか
私としては「メンバ層」(マネジメント経験のあまりない人)にほど薦めたいと思います。理由は単純、得るものが大きいと考えるからです。
もう少し具体的に話していきます。
プロジェクトの構成をPM、リーダ、メンバ層と大きく三段階に分けたとき、特に数年の経験を積んだメンバ層からリーダ層に入りかけの人に特に薦めたいと考えています。
ざっくりと言うならば、本記事では試験での勉強を通してマネジメントの基本手法やマネジメントそのものについてに考える機会ができるということなので、PMはもちろん、ある程度の経験があるリーダ層ではPM業務について把握できており、勉強するにしても敢えてPM試験というフォーマットで学ぶ必要性は薄いと思います。
また、入社したばかりのメンバなどについて考えてみると、PM試験はプロジェクト業務経験がないと合格のために勉強するのが大変になるのと、マネジメントについて学習したり考えて見る際にも現実の現場の問題として考えることができた方がより深く噛みしめることができると考えるからです。
もちろん、明確な目標や目的があればその限りではないと思っています。
メンバ層におけるマネジメントについて
PM試験受験の過程は基本的なマネジメント手法についての学習やマネジメントそのものについて考える機会になります。
「メンバ層」はあくまでマネジメントされる立場であり、マネジメントに関する知識は不要と考えることもでき、それよりも優先すべきことがあるというのはもっともだと思います。
しかし、それでも私はメンバ層がマネジメントと無関係だとは思いません。
ここでは私の考えとして、メンバ層としてマネジメントについて学習する意義を挙げてみたいと思います。
■将来的な準備
一つは分かりやすく将来的に使用する技術として学んでおくということです。
PMになるかは分からなくてもリーダ層になるキャリアパスがある場合にはマネジメント技術は不要になることはないと思っています。
■セルフマネジメントへの適用
これもよくきくことかもしれませんが、PM試験で学ぶことはあくまでプロジェクトに対するマネジメントですが、これらの考え方は自身の業務などにも適用可能なことだと思います。
■受けるマネジメント
最後に受けるマネジメントという考え方です。
そもそもマネジメントに初めて触れるときというのは、ほとんどの場合がプロジェクトのメンバとしてマネジメントを受けるときだと思います。
このことから、チームで仕事を行っている以上はマネジメントと無関係であるということはないと考えることができます。
例えメンバという立場であっても、マネジメントの目的や意図を理解している(しようとしている)かどうかによって円滑に進むかというのは変わるものではないかと考えます。
これらのことから私はプロジェクトのメンバ層であってもマネジメントについては学ぶ価値が十分にあると考えています。
PM試験はロールプレイングである
PM試験の特に午後Ⅱの論文試験では、現在の自身の立場に関わらずプロジェクトマネージャ目線で論述を行うことが必須です。
なので、PM試験に挑むことは「プロジェクトマネージャのロールプレイング」であると考えることができます。
特にPM(またはそれに近い)経験が乏しい場合、合格を目指しているのに準備なく論文試験に挑むことなかなかは厳しいです。一般に記述すべき内容が思いつかなくて困る「ネタ不足」になりやすいからです。
これに対して試験対策である「ネタ集め」と言われることを行っていくことになりますが、過去問演習中に遭遇した問題ベースで考えることなどもありますが、実際に働いている現場は重要なネタソースになります。
日常的に現場で発生した事象に対して自身がPMならどう対処するか?
過去に発生した問題に対してPMはどのような視点で考え対策を実施する必要があるのか?
PM試験で学んだ手法を適用したらどのような結果になりそうか?
今実施されているマネジメント方法は適切なのか?
このようなことを考えることはそのまま試験対策に直結します。
試験合格のためにという不純な動機(?)であったとしても、これは視座を上げて考えるということに他ならないと思います。
自分自身にも他にやるべきことや考えるべきことがある中で、実際に直面しているわけではないことについて真剣に考えるということは簡単なことではないと思っています。そこで現場でのマネジメントについて考えるきっかけにPM試験を利用するということです。
これが「メンバ層」にこそ薦める理由の一つになります。
PM試験はプレーンなプロジェクト経験である
PM試験で学んだ手法が現場で全てがうまくいくかと言うとまず間違いなくそううまくはいかないでしょう。では、その受験経験は無意味かと言われると私はそうは思いません。
ここで私は、PM試験は現実には存在しない「プレーンなプロジェクト経験」であると考えました。
どのような考え方かと言いますと、一般的に悪いと言われることをやれば悪い結果がでて、良いと言われることをやれば良い結果がでるプロジェクトということです。
これは現実ではありえないことであり、PM試験で学んだことを現実のプロジェクトにそのまま全て適用するのは間違っていると言えます。
現実のプロジェクト経験があった場合にも、様々な条件が異なる別のプロジェクトに対して全く同じ手法で進めていけば上手くいくとは考えないでしょう。しかし、様々な経験を積んだ方が新しいプロジェクトに配属されたら経験全てリセットされるようなことはないはずです。
これは過去の経験から得た本質的な考え方や、状況に合わせた部分的な適用を行っているからであると考えます。
これらのことから、PM試験の受験経験というのは活かそうするつもりがあるならば、現実にも活かすことができる経験であると私は考えます。
もちろん現実のプロジェクトでは、試験では考慮していなかった部分を考えなくてはならないということは無数にあるでしょう。
試験というのはあくまで「練習プロジェクト」の域を出ません。現実的な実力をつけたいと考えるならば実際のプロジェクトでマネジメントを経験する以上のことはないでしょう。
この点からもやはり、プロジェクトにおけるマネジメントを自身の意思だけで実施することが難しい「メンバ層」こそ享受できることは多いのではないかと考えます。
もう少しまとめたかった気もするけど時期が時期なので投稿。