SEワンタンの独学備忘録

IT関連の独学した内容や資格試験に対する取り組みの備忘録

【プロジェクトマネージャ試験】2019年春期の結果報告と振り返り

2019年4月に受験したプロジェクトマネージャ試験(以下PM試験)の結果がでたので報告と振り返りとか。
PM試験の概要については他の方の記事やIPAの公式HPをご参照ください。

PM試験後、若干のアクセスが見られ、
おそらく見たいのは今年のものだと思いますので、特に有益な情報はないですが令和2年度の受験感想記事に誘導させていただきます。↓↓

www.wantanblog.com

受験結果

【不合格】でした。

書き出しからなんとなく察せると思いますが不合格です。
詳細な結果は以下の通り。

・午前Ⅰ:免除
・午前Ⅱ:92点
・午後Ⅰ:74点
・午後Ⅱ:Bランク

終わった後の感じからやはり午後Ⅱの論文の内容に不安はあって覚悟はしていたものの結果を突き付けられると悔しいしなかなか受け入れがたい

たまに見かける、なんとなく受けてみたとか勉強は全然していないけど受けてみたではなく、少なくない勉強時間を積み、明確に一発合格を狙ってこのざまである。

しかもどうもB判定自体とりあえず書けばもらえるクソ論文らしい。。。

以下、【不合格者】の対策や感想になりますので参考にする場合はその点に十分に留意してください。

また午前Iは免除なため省きます。

勉強方法

全体について

勉強開始時期は2018年の1月、SC試験の結果を待ってからスタートしたためこの時期。
初めての論文試験への挑戦であったため、論文対策には力を入れようと思っていたが。。

一言でまとめると特に工夫なく約10年分の過去問をやった。
ある程度の時間はかかってしまうがやはり確実な方法であるとは思っている。

午前Ⅱ

過去問を繰り返しぐるぐる。
午前ⅡのためにPMBOKについて学んだり、特別知識を補完もしていない。
使用したのは界隈で定番の「プロジェクトマネージャ試験ドットコム」さん。
https://www.pm-siken.com/pmkakomon.php

午後Ⅰ

過去問学習がベース。解説は後述の参考書を使用。
思った特徴は以下の通り。
・ロジカル的な深い思考が必要になることは多くない。
・専門的な知識はほぼ必要ない。EVMとかで若干あるぐらいで現場で数年の経験があれば知識面はほぼ問題ないと思われる。
・人に焦点を当てた設問が多く、誰の目線での解答するかの意識も必要となる。
・時間はそこまで厳しくない印象。
・常識や定石が解答となる場合もあるが、本文から抜きだして解答を作成することが非常に多く、感覚的にはこれが完答できるなら合格点には達すると思われる。
・同じ問題を2度解くことの有効性は低い。これは問題の性質によるところが大きいと思っている、ネスペなどではこれは逆に有効であった。

上記の特徴から簡単に思えるかもしれないが、人によっては得点率が非常に安定しないと思う。私がそうだった。
そして知識がなくてもなんとなく解答を作成できるせいもあり、適当に過去問演習していてもまず点数が伸びない。

「自己採点時に解答の作成プロセスを~」という方法ももっともで、大切なことではあるし安定率に寄与することはできると思う。
しかしそれでも運ゲー感から完全な脱却は難しいと感じた。やはりこの辺はセンスが大きいと思っている。

午後Ⅰは先生でもたまに落ちるとかなんとか、勉強して確実一発合格を狙う場合は難敵になりうる。

午後Ⅱ

いわゆる論文試験。
初めの勉強はとりあえず一本書いてみることからスタート。
一本書き出すことが非常に重く苦痛。そして一本目は内容もぐだぐだで2時間ではとても書ききれなかった。

過去問演習の中心はPCの文章作成ソフトで。2年分に1問ぐらいのペースで時間が確保できるときに手書き演習を行った。

以下は勉強中に準備したことであるが、ここは参考書や合格者のブログ等を参照した方がよいと思われる。
・ベースプロジェクトを決める。
 よくあるのは3本ぐらい用意しておけってやつ。
 私の場合は1つしか経験がなかったため1つでゴリ押した。
・プロジェクト概要(制約)のパターンを用意する。
 よくあるのは期日、品質、コストのパターンごとに用意するもの。
 私の場合は過去問演習をしながらパターンを蓄積し、最終的には論文の骨格から逆算しパターンをあてはめる形が多くなった。
・プロジェクトの問題、解決策のパターンを用意する。
 経験から持ってくるのがベストであるがそうもうまくいかない。これは日常的に収集した。
 現場、書籍、午後Ⅰ問題文、午後Ⅱ解答例などから拾い集めた。
 ここで収集した結果、自身の論文に組み込めそうにない分野は切り捨て対象とした。
・定量値を集める
 プロジェクトのコストや人員数。
 品質指標値など。
・漢字や熟語を覚える
 手書きで書くととっさに出てこないものがあったのでメモして書けるようにしておいた。

ある程度勉強を進めると、コストや調達系が書きにくいことが分かった。
現場でほぼ接する機会がないため、リアリティが全く付与できないためである。

この辺は切り捨て対象として、万が一のためにコストはEVM一点打ちで対応すると決めて、切り捨てる方針としたがこの辺が今回の敗因の一つとなった気がする。

当日の様子や感想反省

さぁ本編。今となっては思い出すのが非常に苦痛でしょうがない。。

当日朝

問題なく起床、受験地へも問題なくたどり着けた。
体調も特に悪くない。

・結果:合格点

午前Ⅱ

・結果:92点

新問のいくつかで不安になるものはあったものの、試験時間中にほぼ通過を確信できる出来栄えであった。
結果もご覧の通り。

午後Ⅰ

・結果:74点

問1.サービスの移行
問2.IoTシステムの構築
問3.定量的なマネジメント

うん、まぁどれでもいいかなと思って問1と問2を選択。
この試験は午後Ⅱばかりに注目がいきやすいが、この午後Ⅰも安定して抜けるにはかなりの難関であると思っている。

今回は設問もかなり冷静に読むことができ、解答もつつがなく作成できた。
時間に困ることはなく、感触も悪くなかった。

結果はご覧の通り。

通過していたので文句はないが、
正直、感触よりも点数は低かった、感触的には8割は超えていると思っていた。
やはり(私の場合は)こちらの感触とはズレが出やすい試験なのだと感じた。
来年も確実に通すことを考えると午後Ⅰも正直結構しんどい。。。

午後Ⅱ

・結果:Bランク

問1.システム開発プロジェクトにおけるコスト超過の防止について
問2.システム開発プロジェクトにおける、助言や他のプロジェクトの知見などを活用した問題の迅速な解決について

問1.をみた瞬間に問2.に逃げようと思ったが、参りました、
問2.は全くの経験がなくその場で作り話をまとめあげる自信がなかった。

仕方なく問1.へ、この時点でかなり慌てていたが、兆候や対策はコストに特化したものでなくてもなんとかなりそうと思い論文の格子作成へ、設問に問われている部分を用意してそれらをつなぐようにして書き始めた。
最初の800字は筆が遊んでいるような感じだった(というか多分普通に文字が汚かった)が、2枚目ぐらいからはかなり落ち着いてきて普段の過去問演習ぐらいの感覚になってこれならいけるかもって正直多分思った。
なんやかんやで指定文字数を時間以内になんとか書き上げることはできた。。。

終了。

以下、悪かったと思われる点(あくまで予想)

・兆候や対策が期日や品質の問題と区別がつかない、また対策が稚拙
⇒影響:小
ようはコスト専用の問題や対策を準備してなかったので期日や品質の問題で使えるものとすり替えた。
但しこれは効果がないと言い切れないし、合格論文でも同じようなケースは見てきているので一手で敗因になったとは考えにくい。
対策が稚拙についても一定の効果が見込めるものであればこの一点で不合格になるとは考えにくい。

・コスト管理方法(EVM)の説明が雑
⇒影響:小
EVMで問題文に記述されている「完成時の総コストを予測」できるとかには触れたが、理解があやふやだった部分はかなり大味に書いて誤魔化した気がする。ただここで求められているのは「概要」なのでそこまで大きな問題にはなっていないと思っている。

・コスト超過につながる根拠でコスト管理方法について触れられていない
⇒影響:中
今見返せば、コスト超過につながる「根拠」はコスト管理方法としてEVMで現状の状態と完了時の総コストを絡めるのが妥当だと思われる。多分私が書いた内容では根拠性が弱かった。
良いとされる論文なら触れられていそうだし妥当性も納得できるのでまぁまぁ影響はあるかと。

・プロジェクトの特徴で「期日厳守」を推している
⇒影響:大
単純にして今回の最大の敗因になったのではないかと思っている。
特徴で述べたものとして「期日厳守」を後半でも拾い挙げていたはずだが、今思い返してみても違和感があっただろう。
プロジェクトの特徴を「期日厳守」とするならせめてその後コスト管理の必要性を「このプロジェクト独自の理由」で述べる必要がありそうなのにそれもしていない
普通に考えたらコスト題材のストーリーであり、プロジェクトの特徴には「コスト厳守」を持ってくるのが書きやすいし、コスト管理の必要性はそれだけでも納得感はある。

コスト重視のプロジェクト概要を全く用意していなかったのではなく、よそから拾った仮ものではあるが1案はあった。
正式の試験の場でよそから拾ったものを使うことをためらったわけでもない、単純に慌てて気が狂っただけである。

このことに気付いたのは試験の帰り道、これもうダメじゃない?と思ったけど一応書ききったし合格の望みは捨てずに発表時まで待った結果が「Bランク」、まぁ妥当なんでしょうね。

2019年度PM試験の総括

プロジェクトマネージャ試験は良い試験だと思います。理由は多分私が合格時用に用意した以下のメモから

・ここで学ぶ(考える)マネジメントはプロジェクト単位以外にもチーム、個人、自身、あるいは管理される側としてなど、考え方次第では他の区分と比べても非常に応用範囲が広い。まだPMの立場にない人にこそ勉強してでも取りに行く価値があると感じた。
自身の経験を振り返る機会となる
・現場あるいは研修等でもPM視点で考えてみるという機会になる
定量的な文章を心がけるようになる、また文章での自己評価にためらいがなくなる。

所詮はただの筆記試験ですが、勉強の仕方や心持でいろいろ変わるものだと思っています。

結果については正直ほんとに腹立たしいです
これはがっつり勉強時間とって落ちないと分からないと思います。

後悔はやはり午後Ⅱの「影響:大」の部分ですが、
当日慌てたのは準備不足
初見の問題をまとめきれないのは実力不足
運でもなんでもないです。
だから私は筆記試験が好きなのかもしれません。

2019年の秋にはシステムアーキテクト(SA)試験を受けます、論文で落ちましたが苦手意識とかもまだもってませんし、ここは落とすつもりもありません。
PM試験は来年に必ず受験する予定なので、SA試験を突破しレベルアップして、PM試験にリベンジ果たす王道ストーリーをこうご期待ください。

購入書籍

参考までに購入書籍。参考書がメイン学習、読み物は気が向いて買ってみたものです。

参考書

度定番です。私は落ちましたがやはり良い本だと思っています。

読み物

SC試験の結果待ちまでに、マネジメントとはなんたるかとかキャリパスを少し気にして購入。
キャリパス上の各立場での振る舞いなどについて著者の考えを記してある感じで序盤は現在の私に現場での参考にはわりとなっている気がする。
PM試験に直接役に立ったかというとほとんど立っていないが、別に後悔とかはしていない。

著者のネスペ本にはお世話になったこともあり、参考書と一緒に購入。
内容はまぁ確かにと思うところはありましたが↑の参考書があれば特に不要だったかもしれません。
小説は嫌いじゃなかったのでほんとにただの読み物と化しました。

IT訴訟やトラブル事例から教科書的な対策案の物語調で紹介していく本。
私はこの本結構好きで、PM経験はもちろん現場経験もそんなに長くない人がPM試験を受けるときにも軽く読んで軽くネタ集めするのにいいのかなとも思ったんですが、私が落ちてしまったせいであまり推せませんね。。