SEワンタンの独学備忘録

独学した内容や資格試験に対する取り組みの備忘録

【システムアーキテクト試験】 平成25年 午後Ⅰ問2 過去問演習

若干雑になってきた気がする。

平成25年 午後Ⅰ 問2
銀行のATM(現金自動預払機)サービスに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

章の構成と全体の印象

【海外ATMサービスの概要】

【E銀行の勘定システム及び海外ATMサービスのシステム概要】

【ATMヘルプデスクの業務】

【海外ATM利用時の処理概要】
設問が直結してくるのはここから。

【D社元帳の更新処理の概要】

【商品企画部からの追加要望】

設問はやや多めで時間的な余裕はなさそう。
全体的にカチカチした印象でロジカルに解く必要がありそう。金融系の問題って以前から苦手なんですよね。

設問1

【海外ATM利用時の処理概要】について(1)、(2)に答えよ。

(1)

図2中の処理3の開始時刻を見直す必要があるのは、1日の代行取引件数が何件を超える場合か。その件数を答えよ。

私の解答 30
IPAの正答 1800

解答が一意になるかつそこに至るまでのプロセスも難しくはない。サービス問題ですね。
ここを落としているようでは不合格になっても文句はいないでしょう。

着目すべき本文も素直に図2中の処理3でよい。
1件/秒という処理速度と、6:30開始7:00終了から処理時間は30分と分かる。だから30件を超えるとまずいということではなくて、30で処理できるのは30×60で1800件。
例え慌てていても間違えることは許されない問題でしょう。

特に理系出身の方にはいうまでもないですが、本問に限らず計算問題は単位に着目すべきだと思っています。。(分、秒という低次元の話ではなく)
例えばHz=振動回/時間(秒)であることを抑えておけば深く考えなくてもHzに時間を乗算すれば振動回が算出できるといった具合ですね。

(2)

図2中の処理3の開始時刻の見直しを行わない場合、E銀行元帳に不整合が生じる可能性がある。その理由を35字以内で述べよ。

私の解答 代行取引の結果が反映されずに通常取引が行われる可能性があるから
IPAの正答 代行処理した取引と国内ATM取引の順序が逆転する可能性があるから

言いたいことはずれていないのでどこまで減点されるかの勝負になるでしょうか。

日曜21時から月曜7時までは国内取引は停止され、かつ海外ATM取引はD社の代行処理によって行われます。
そのためその期間におこなれた海外取引は6:30からの処理でD社からE社への更新内容を同期することになります。そのときに月曜7時を過ぎても同期処理を行っていた場合、国内ATM取引が再開され、同期がおこなれていない状態のE社元帳に取引が行われる可能性があるため、不整合が発生すると言っているわけですね。

私の解答の特に悪いところは「通常取引」という単語をかってに作り出しているところでしょうか。本文を読んでいればなんとなく意味は分かる言葉でも採点の都合上、意味が伝わらないと採点されても文句が言えないので、名詞や動名詞は本文中の言葉を使用するのが原則で、自分で作り出した単語を使用するのは最後の手段とすべきです

設問2

【D社元帳の更新処理の概要】について(1)、(2)に答えよ。

(1)

リアルタイムで送信時に送信を省略した属性は何か、三つ全て答えよ。また、省略しても問題がないと判断した理由を25字以内で述べよ。

属性
私の解答 顧客名、顧客住所、顧客電話番号
IPAの正答 顧客名、顧客住所、顧客電話番号
理由
私の解答 当該時間帯に更新できない属性だから
IPAの正答 三つの属性は日曜日に更新されないから

リアルタイム送信と言っているのは、「表2の日曜日の0:00~21:00」の部分に書いてある処理のことですね。
そもそも何をやっているかというと、国内ATM停止期間以外は国内でも海外でもE社元帳の更新を行っているが停止期間中はD社元帳を元に取引を行うため、E社に更新された一週間分の取引内容を今度はE社からD社に反映するわけですね。
第一段階としては土曜日と日曜日にバッチでたまったデータ分を更新する。バッチで対応できない日曜日の0:00~21:00の期間はリアルタイム対応する必要があるということです。

では省略していいのはなにかというと、平日の更新分については全てバッチ処理でカバーできているのでリアルタイム更新で行うのはもちろん日曜日に行われた取引のみとなります。そのため、平日8時から21時まで窓口でのみ変更可能である「顧客名、顧客住所、顧客電話番号」は日曜日に更新されることのない属性であり、リアルタイム連携はする必要がないというわけです。

(2)

D社元帳の整合性を確保する対応をD社で実施する必要がある。どのような対応が必要か。40字以内で述べよ。

私の解答 D社元帳の更新処理が終了予測時刻を超えない件数であることを確認
IPAの正答 リアルタイムで更新した口座はバッチ処理で受信したデータで更新しない

私の解答は無視してください。何か書かないといけないから仕方なく書きました。

本文中の該当する箇所は表2のすぐしたに「D社元帳の整合性を確保する対応をD社で実施する」という記述がある部分です。
また、設問から2つの予測ができます。
・D社元帳の更新により整合性がとれなくなる場合がある(これはほぼ確定)
・その対応はE社ではなく、「D社」でないとできない

下の方は契約や責任の問題でいかようになる気がするのであまり注視しすぎない方がよいのでしょう。確実に確認すべきは整合性がとれなくないケースです。
解答を見てからだとすぐに分かるのですが、D社元帳の2種の更新バッチ処理とリアルタイム処理のうち、バッチ処理はその開始時刻に完了している取引までになります。(ここは本文中にも明記してあるので確定できます。)
そしてバッチ処理は最大2時間を見込んでいるため、バッチ処理中にリアルタイム処理が発生することも当然あります。リアルタイム処理はその時点の最新データが送られてくるのでその上にバッチ処理を適用した場合、リアルタイム取引前の状態に戻ってしまう。これが整合性がとれなくなるときです。

現実問題どうやって対応するのかは不明ですが、これの対応がIPA正答になります。

一瞬気になったのが(1)で除外した属性について。解答などには一切触れられていませんがバッチ処理を行わないとこれらの属性が更新されないパターンがあるのでは?と思いましたがリアルタイム処理がおこなれるのはあくまで日曜日のみなのでこの対応を行うのも日曜日のバッチ処理のみ、日曜日のバッチ処理にのってくるデータはあくまで土曜日に行われた取引になるので、これらの属性は土曜日も更新不可能なので考慮不要というわけです。
ここまで逆算するとバッチが2段階に分かれている必然性が分かりました。

設問3

【商品企画部からの追加要望】について(1)、(2)に答えよ。

(1)

表3中の要望1の対応によって、E銀行元帳の更新に影響が出る口座はどのような口座か。35字以内で述べよ。また、影響を回避するために行ったチェック方法の変更内容を25字以内で述べよ。

影響が出る口座
私の解答 代行処理時間中に代行取引が行われた口座
IPAの正答 代行処理時間中に出金、自己カードの設定順で取引した口座
チェック方法の変更内容
私の解答 属性が以前から変更されていないこと
IPAの正答 事故カードの設定有無をチェックしない

影響については方針は同じなんですが、事故カードの設定を行うことを前提にしすぎていますかね。設問中で事故カードの設定を行うことが前提とされているならまだしもこれは少し指定文字数に対する意識も薄かったような気がします。
チェック方法の解答についてはもちろん論外です。

事故カードは紛失などの場合に、カードを無効化することですかね。これの申し出後ものんびりしていると不正利用されるリスクも高まるため一刻も早く停止させたいので、取引処理よりも優先させたいということなのでしょう。
しかし、単に事故カード設定を優先させた場合、出金⇒事故カードの順で取引が行われていた場合に順序が逆転することになります。順序が逆転すると何がまずいかと言うと、出金の条件には「事故カードの設定がない」ことという条件があるため、後手に回った出金取引の反映が行われなくなってしまうということです。
逆不正利用ができてしまうというわけですね。

だから、チェック方法の変更で事故カード設定有無のチェックを外すことで、この逆不正を防げるというわけでしょうか。

最後に少し自信がなくなったのは、システム仕様だけで見るとカードを盗難されて即座に利用された場合、その被害は顧客側が負うようになってしまっていると思ったからです。元からそうだったあるいはそれが起きた場合は保障があるんでしょうか。少し疑問は残りますね。

ただ、設問としてのロジックは十分に分かりますしそこまで掘り下げることではないのかもしれません、

(2)

表3中の要望2については、当初の仕様のままとした。全口座を海外ATMサービス付与の対象とした場合、どのような問題が発生するのか。D社元帳の更新処理の観点から40字以内で述べよ。

私の解答 E社で行うバッチ処理に時間がかかり完了しない
IPAの正答 D社元帳の更新処理時間が大幅に増加し、1日では更新できなくなる

まずはあて勘でよいと思います。サービスの対象範囲を広げた⇒処理対象者数が増える⇒処理時間が想定よりかかるようになる。
解答の軸はこの辺になんとなくでも絞れるのではないでしょうか。
私の解答の悪いところは、まず同じ処理を指してはいますが「E社」視点になっているところ、後は完了しないというよりは想定した時間までに完了しないというニュアンスにすべきでしょうか。

この問題、個人的には実践的に前半部分を確実に答えて部分点をもらえば十分と思います。
というのもしっかりと思考が働くときに答えられても正答の「1日では」という部分は私では出せないと思います。

1日の根拠というのは
処理性能は3000件/分で現在の海外ATM利用者想定は25万人
25万/3000=83.333分 なので2時間以内で処理可能。
対してサービス範囲を広げると、500万人になるので全員が更新する必要がある場合を考えると
500万/3000=1666.67分≒69時間となるためであると思われます。

実践的には時間に余裕があってもここまで確認はできないと思っているからです。

総評

難易度 普通
専門性 普通
時間制約 厳しい
合格判定 不合格レベル
集中力


難易度的には普通な気がしますが、平日の夕食後にやると最近は集中力に難ありです。
難易度はさておき、平成25年度の問題は本文抜粋型の設問が26年以降に比べて非常に少ない気がします。25年度と26年度で何か問題の傾向を変えたりしたんでしょうか。